峠の頂上から少し東へくだった沢沿いに立っている。樹高約28m、根廻り14.8m、目通幹囲9m、幹は地上約22mで折損し中は上まで空洞となっている。
梢頭の数枝は風害によって白骨化している上に、幹の空洞内は昭和4年の火災で木炭化している。この木は甲斐国誌、甲斐叢記などの古い本に記され、江戸時代末期の浮世絵師・葛飾北斎や二代目歌川広重の名画にも残されているなど、古来有名な木であるとともに、スギの巨樹として県下有数なものである。
また、樹齢1000年を超す矢立ての杉は、戦国時代合戦に赴く武士が必勝を祈願して、この木に矢を射ったことから
その名前がついたと云われている。甲州街道が開通し人々の往来も盛んになり、旅人たちの憩いの場となった。
矢立ての杉は、歌手の杉良太郎さんの歌にも唄われた縁あって杉の近くには、杉良太郎氏により寄贈された身代り両面地蔵菩薩がまつられています。
毎年年事大祭が行われ、杉良太郎・伍代夏子ご夫妻が揃ってご祈祷されています。身代わり両面地蔵は、人々の平和と幸福をいつも見守ってくださっています。
